2020年6月26日金曜日

【実習で起きた個人的事件簿 file2】

みなさんこんにちは!

高知大学地域協働学部地域協働学科3年の西本春菜です。
最近の私はといえば、梅雨のあいまをぬってオーテピア高知図書館に通うのが日課となりつつあります。入るときにはマスクの着用と手の消毒が求められるため、マスクを忘れないよう出かける前にかばんを確認することも習慣となりました。


さて、今回のテーマは「個人的事件簿」。
もう3年ともなろうとする実習期間を思い返してみるとさまざまな事件簿があったように思いますが、今回はそのなかでも最も「!!!?」と感じた日のことについて書きたいと思います。


それはちょうど一年前ごろ、昨年7月の上旬の実習でした。梅雨明けはまだ訪れず、市内でもぱらつく雨はやむ気配のない日でした。
まず、私たち地域協働学部生は「学内学習」と「学外学習(いわゆる「実習」)」の2つを実習科目のなかでおこなっています。そして学外、つまり現地でおこなう活動のスケジュールは学内学習の日に決めるという流れが定石となっています。

この日も学内学習で決めた外での作業などの予定をふまえて集合時刻に学校にいったものの、外は雨。車にのり現地につきますが、大豊も同様に雨。このなかでは外での作業はおこなえません。



地域パートナーである氏原学さんのお宅にあるテラスでみんな「今日の実習はどうしようか」と相談していると、氏原さんがテラスにやってきました。




開口一番、氏原さんは
「おまんらぁ、就活のことは考えゆうかえ」と。
そして、
「今から私が『あなたが大学生活で実習に入っていた地域ってどんな地域?』と聞くきに。就活の面接練習やと思って答えてみなさい。君たちならどう答える?」
と言葉を続けました(意訳)。


実習地にきて急遽、就活面接の練習がはじまるとは!!!?と衝撃。周りのメンバーの顔をみると戸惑いだったり思わず笑っているメンバーだったりとさまざまな表情だったことをよく覚えています。


困惑する私たちに氏原さんは「東京や大阪に住む人に、東豊永という地域をどう理解させられるか。理解させられるような切り口とは何か、君たちに今の段階での考えを聞かせてほしい」と言いました。

7人いるメンバーは順番に、氏原さんの質問に答えていきます。
あるメンバーは、「大豊町は高知県と徳島県の県境に位置していて、東豊永には日曜市に出店している地域住民の方がいる。日曜市は高知県で400年以上続く伝統的な朝市のことで…実習のなかで、印象に残っている、大事だと思ったのは『地域を想う人の存在』であると思う」と。
またあるメンバーは「東豊永は見晴らしや景観がよくて、雲海が本当に美しい場所。ここにきて人の暖かさに触れた。農業が営まれていて、日本が忘れかけているような田園風景が広がっている場所」と。
皆めいめいに東豊永でこれまで実習をしてきたなかで感じたことを言葉にしていきました。


「景色や雲海がきれいな場所。ここには地域での活動をやろうとしたときに、背中を押してくれる地域の人の存在がいる。地域のことを、後世に残していこうとする地域の方がこの地域にはいると思う」

「東豊永にきてから、『田舎』や『中山間』の印象が変わった。自然の美しさはもちろん、空気も美味しい場所だと思う」

「大豊町は『限界集落』という言葉が生まれた場所。例えば山に入るなかで、私たちの普段飲む水がどこから来ているのか、ということを考える機会もあった。また、通りかかる道のそばにあるお墓にはいつもお花が手向けられている。先祖を大切にしている地域だと思う」

「東豊永にきて、実際に集落を歩くことの大切さを感じた。歩いてみると、例えば道にカニがいるとか大きなミミズがいるとかコケアートがあるっていうことに気付ける。これは人間と自然とが融合している姿だと思う。他にも、人の話を聞くことの大切さを感じた。結婚の際の「とおせんぼ」の話などを伺って、東豊永の歴史を感じて、昔のことから今につながっているということを知ることができた」

「中山間の大変なことや都会の人があまり知らないこともここに来て知れた。便利なことだけが良いとされる社会になっていいのだろうか?という疑問を持つ機会も生まれた。生活の豊かさと心の豊かさ、両方あるということを東豊永に来て知った。」
・・・・・などなど。


思えばこの時期といえば2年生に学年もあがり実習の回を重ねるごとに、企画や事業に関する話をする機会のほうが増えてメンバーの持つ東豊永という地域そのものへの思いを聞く機会が減っていた時期でもありました。

氏原さんの問いかけがなければ聞けなかったかもしれないメンバーの「東豊永という地域への思い」。はじめは唐突な氏原さんの問いかけに大きな戸惑いや「なぜいま!?」とった疑問がありましたが、メンバーの話を聞くごとに、どことなく胸がいっぱいになるような感情になりました。

ということで、” 氏原さんによる就活面接予行練習に衝撃を受けていたら、最終的には「言葉にすることの大切さ」にしみじみと気づいた件 ” でした。

・・・「個人的事件簿」、いままでのテーマで一番難しかったかもしれません。いやあ、学生ブログ楽しいです。
ではまた。
高知大学地域協働学部地域協働学科 東豊永班3年
西本春菜(にしもとはるな)

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